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来し方の夢
雨月と肌を重ねた悦 びの余韻に浸ったまま星月は微睡む。その中でふと頭を過 るのはいくらか前に起きた事だった。星月の意識は過去に落ちていく。
星月は里長の子という事以外普通の子供だった。
そしてその日も一人でいつも通り遊んでいたが、たまたま山への道を一人歩く男を見つける。ただの幼い好奇心でその男の後をこっそり着いていった。
そして、その先の山小屋で男が行っていた事を見てしまった。こっそり覗いていたはずなのに、白濁の粘液にまみれた男とバチリと目が合った。
それだけで星月の中で何かが狂ったのだ。
男が自分に覆い被さっていた男に何かを囁くと、星月は何者かに後ろから捕まった。驚きで叫ぼうとしたが、あっという間に口を塞がれて小屋の中に運び込まれる。
恐怖で体が竦 み上がっている内に服を剥ぎ取られながら拘束された。最後に助けを呼ぶための笛も取られた。
そしていつの間にか目の前に来ていた五本角の鬼に顔を撫でられながら言われたのだ。「今日の事は忘れられない日になる」と。
五本の鬼は自分の事を「ねや」と名乗ったが、本名では無いとも言う。そして首を傾げかけた星月の胸の突起をおもむろに指先で潰しはじめた。
まだ何も知らない体はビクリと跳ねて、訳も分からないままその行為を受け入れるしかない。やがて上半身をまさぐっていた手は徐々に下に降りて股間と尻の肉の間で動き回る。なぜそんな所を触られるのか分からない星月はただ震えるしかなかった。
ねやに触られた星月は痛ければ泣いたし、できる限りの拒否もした。しかしそれでもねやのいやらしく動き回る手は止まらなかった。
男の一物から吐き出された白い粘液や、ねやの唾液、香油で身体中を濡らされた星月はやがて塞がれた口で叫びを上げた。
尻の肉ひだを押し分けてねやの指が星月の体の中に押し入ってくる。長い指はぐねぐねと別の生き物のように動いて中を探っていた。そこにばかり意識が集中していると、やがてねやは星月の胸や下腹部を舐 ったり、口に含んだりし始めた。
星月は己の尻に差し込まれた指が痛くて、ねやの口に含まれる股間や胸の突起が食いちぎられるかもしれないと思うと怖くてただ震えながら泣くしかない。それでも身体中を這い回る手と舌は止まる事が無かった。
夕刻になると星月はいつの間にか綺麗に服を着せられていた。そして散々泣いていたはずなのに、その跡も消え去っている。ただただ残っている体の倦怠感だけを抱えて魂が抜けたように座っていた。隣にいたねやは星月の首に笛をかけながらそっと小さな耳に口を寄せる。
「明日もおいで。一緒に遊ぼう」
それは呪いのように頭の奥にじんわりと染み渡り、星月の頭はゆっくりと縦に振られたのだった。
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