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第4話

何を焚きつけられたらこうなるのか。 目の前に広がる強烈な光景に魅入りながら、心の中で般若に対して何度目かの舌打ちをした。 アオキは、まるで紅鳶など見えていないかのように夢中になって自らの身体をほぐしている。 これまで幾度となく可愛がってきた後孔は既に柔らかく綻び、アオキの三本の指を難なく受け入れていた。 その少し先では、勃ちあがったアオキの可愛らしい陰茎が腰の動きに合わせて揺れている。 涎のように愛液が滴り落ちる様子は凄まじくエロティックで… 目の毒。 まさにそれだった。 しかし恋人のこんな乱れた姿を見せられて、手も出せないなんて耐えられるはずがない。 紅鳶は手錠をガチャガチャと鳴らすとアオキに訴えた。 「アオキ、頼む。これを取ってくれ」 するとアオキが手を止めて振り返った。 瞳はすっかりと蕩け、顔は真っ赤に染まっている。 目隠しがズレていることに気づいたものの、アオキはさほど驚きもせずに口元に笑みを浮かべた。 体勢を変えると紅鳶の身体に跨り、両手をシーツに付くとこちらを見下ろしてくる。 いつもなら紅鳶が見下ろしているポジションだ。 てっきり枷を外してもらえると思っていたがどうやらそんな気は全くないようだ。 アオキは自由の効かない紅鳶をうっとりと見つめると唇を舐めて見せてきた。 その濡れた艶やかな唇が「紅鳶様」と紡ぐ。 いつもはほとんどがされるがままの従順なアオキ。 大和撫子という言葉がぴったりな慎ましくて淑やかなアオキの、初めて見せる挑発的な眼差しにドキッとしてしまった。 こんな表情もできたのか。 「今日は…俺が、イくところを…見ててください」 妖艶な声色で囁くアオキに、紅鳶はやれやれと溜め息をつくと眉根を下げた。 「俺に手を出させないつもりか?」 「だって…いつも、してもらってばかりだから…紅鳶様にも気持ちよくなって欲しいんです」 その気持ちはありがたいがこれは逆効果だと思う… 思わず吐露してしまいそうになり、すんでのところで堪えた。 アオキは再び紅鳶の身体の上で両脚を開くと、今度は正面から見上げる形でアオキの自慰が始まった。 片手で後孔を弄りながら、もう片方の手で自ら胸の突起を摘まんでいる。 最近アオキが直ぐに達してしまう愛撫の仕方だ。 グチュ…と濡れた音とともにアオキが切なげに喘ぎ始めた。 「あっ…っ、あん…んんっ…」 ユラユラと腰が揺れ、時折ヒクンと喉を反らして震える。 その眼差しは、紅鳶に向かっていた。 見ていてください… 潤んだ瞳が必死に訴えかけてくる。 あぁ…くそ… 触りたくてたまらない。 アオキの痴態に煽りに煽られまくった股間が限界まで張りつめて悲鳴をあげている。 確かに積極的なアオキを見れるのは嬉しい事だ。 しかしこんなにも淫蕩な姿に一切触れられないというのはもはや拷問に近い。 「あっ、あっ、あぁ…んんっ、んんっ、い…く…いくぅ」 凄まじい色気と妖艶さを撒き散らしながら、乳首と後ろの刺激でアオキが限界を訴えてくる。 挿入していないはずなのに、アオキの乱れ方と喘ぐ声で中がどんな風にうねっているのかわかってしまい、それが余計に紅鳶を苦しめた。 しなやかな身体が一際大きく仰け反って、アオキが腰を突き上げる。 「っ〜〜〜…んんっあぁ!!」 切羽詰まった嬌声とともに紅鳶の目と鼻の先で、盛大に達した。 目の前が一瞬白くなり、顔に温かい何かがパタパタ…と振りかかる。 その嗅ぎなれた匂いからアオキの射精したものだということがわかった。 吐精後の余韻でくたりとなっていたアオキが紅鳶の顔を見てみるみる青ざめていく。 どうやらは想定外だったらしい。

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