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第7話*白無垢*
寄り合い所には十人くらいいて中央に白い着物があった。
「これは?」
苦しそうに作造さんが言う。
「贄嫁の着物だ・・」
数日後に使用人が持って帰ってくる。
『・・そして次の贄嫁にって訳か』
「さあ、トキワ着替えよう・・」
『一体、何回繰り返してきたことなんだろう。作造さんを始め、
みんな手際がいい』
あっという間に着替えて綿帽子をかぶせられた。
「いいかトキワ」
ヨシさんが強い口調で言った。
「前を見ないで足元を見ろ。興味本位できょろきょろするな。
言われてから面を上げろ」
「わ、わかった」
「さあ、皆行くぞ」皆が提灯に灯かりをともす。トキワの嫁入りが始まった。
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