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第35話*シマの後押し*

普段トキワの身の回りの手入れはシマが行っている。いまも髪を梳かしているところだ。 「ねえシマさん。お館様のお酒の量減った?」 「そうですね。以前よりはそのような感じではないと思います」 「よかった」 「それよりも最近花嫁様がご寝所を後にするのが少し早いかと」 「え?何で知ってるの?見てるの」  トキワが焦る。シマは何も答えず 「今は季節の変わり目、人は体調を崩しやすいでしょう。 とくに花嫁様は成人もされていない人の子。色々と思い通りにならないこともあるでしょう。もう少しすれば体も馴染むと思います」 「そっか。病気とかじゃあなかったんだ。よかった」 「ですが早めにお暇するときはお館様にその旨を伝えられた方がよいかと」 「どうして」 「またすみれ色の宝石に嫌われたのではないかと、お酒が進んでしまうからです」 「すみれ色のって俺?」 「花嫁様はもう少しお館様にどう思われているか感じてもよろしいかと思いますが」 そういうとカチャカチャと道具を片付けシマが去っていく。 『どう思っているか・・。これ直接聞いちゃいけないやつだよね・・』

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