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第39話*願い*

「う、うーん。もう朝かなあ・・」 「朝ですぞ。花嫁殿」 その声を聞いてハッと飛び起きた。 「お、お館様」 見るとトキワはいつの間にか布団の真ん中で目を覚ましていた。 「見張り殿はずいぶん大きな寝返りをうつな。安心しろ、約束は守った」 『着物も乱れていないし、噛まれたりしてない。約束は守ってくれたんだ・・あ』 「も、申し訳ありません。すぐに戻ります」 慌てて布団から出ようとしたら、つま先にかかり着物がずれ、左足が太ももまであらわになった。 「トキワ。俺の理性を試しているのか?」 「も、申し訳ございません」 慌てて着物を直す。 「時にトキワ。昨夜はちゃんと見張りができたかな?」 「えっ、あ、その」 「では罰を与えてよいか」 『え、やだ、怖い。やっぱりご寝所に行かなければよかった』 トキワがうろたえていると 「俺を抱きしめてくれ」 『え?』 胡坐をかいて手を膝の上に乗せている。 「俺は動かん。お前の気持ちでいい。嫌なら指を触るだけでもいい。お前のぬくもりが欲しい」

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