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第41話*シマ節ふたたび*
「花嫁様、今日は寝床の乱れがありませんでしたが、昨晩はどちらに?」
シマが相変わらず抑揚のない口調で訊ねる。
「えっ、いや、ちょっと・・」
「お館様と閨を共にされましたか」
「ねや?」
「愛する二人がお互いの肌を合わせることです」
「ひゃっ!し、しないよ。お館様とは離れて寝たもの」
「花嫁様。そろそろお館様のお気持ちを汲んでみようとは思いませんか。これだけ慈しみ愛情 あふれるお姿は、私初めて目にいたします」
「え、でも、何をすればいいの?」
「答えはすぐそばにあると思われますが」
道具を手早く片付けてシマは出て行った。
『シマ節だとわからないんだよなー。確かに最近はすごく優しいって思うけどさあ』
『俺まだ子どもだよ?子どもに出来る事って何さ?』
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