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第52話*二人の攻防戦*①
「それではお先に失礼します」
「すみれ、どこに失礼するのだ?」
「え、あの、自分の・・」
「この長い期間、お前はずっと俺と寝ていたぞ。意識が戻った途端、知らぬ存ぜぬか」
「でも、俺、裸で・・」
「あれはお前が勝手に脱いだ。最初は着ていたがな。俺の尻尾が気に入った
らしく抱いて寝るようになった。そして布団より軽くて肌触りがよいので自分から脱いで巻き付くようになった」
「これは正直俺も辛かった。お前の愛らしい体が、俺の尻尾で眠りにつく」
「美しい拷問が毎日続いた」
どうみても芝居がかってる。
『でも本当に覚えていないから、何も言えないよう』
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