55 / 95
第55話*熱持つ体*①
その時着物の隙間から太ももを触られた。
「あ・・ああっ・・はああっあっ・・お・おやかたさまあ・・」
触った狐の手がものすごく熱い。
「また体が熱くなったか?」
「やっ・・体はだめだと・・」
「ああ、すまない。では布ごしにしよう」
「ふう・・」
そう言われてすみれは少し安心した。
しかしそれは、すみれの体に火をつける言葉だった。
着物の上からすううと狐の手の平が上がり、それはすみれの中央で止まる。
「んんっ」
「あっ・・あああー!いや・・なんか熱い!そこ」
口吸いよりも足元の熱さに耐えられず、すみれは声を出していた。
「あ、嫌です・・お館様・・そこは・・いやあ・・」
「体が熱くなってきたからか?」
そう言うと狐は着物の中に手を入れ太ももをさする。
「あ、やめてくださいお館様。約束が・・」
「ああ、すまなかった。年のせいか忘れやすいな」
まったく悪びれず、そう言いながら太ももの上に手を伸ばす。
「あっ・・だめっ・・なんか奥から熱くなって・・」
ともだちにシェアしよう!