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第55話*熱持つ体*①

その時着物の隙間から太ももを触られた。 「あ・・ああっ・・はああっあっ・・お・おやかたさまあ・・」  触った狐の手がものすごく熱い。 「また体が熱くなったか?」 「やっ・・体はだめだと・・」 「ああ、すまない。では布ごしにしよう」 「ふう・・」  そう言われてすみれは少し安心した。 しかしそれは、すみれの体に火をつける言葉だった。 着物の上からすううと狐の手の平が上がり、それはすみれの中央で止まる。 「んんっ」 「あっ・・あああー!いや・・なんか熱い!そこ」  口吸いよりも足元の熱さに耐えられず、すみれは声を出していた。 「あ、嫌です・・お館様・・そこは・・いやあ・・」 「体が熱くなってきたからか?」  そう言うと狐は着物の中に手を入れ太ももをさする。 「あ、やめてくださいお館様。約束が・・」 「ああ、すまなかった。年のせいか忘れやすいな」  まったく悪びれず、そう言いながら太ももの上に手を伸ばす。 「あっ・・だめっ・・なんか奥から熱くなって・・」

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