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第56話*熱持つ体*②(R)

「あっ・ああっ」  狐の手が中央で止まる。すみれの呼吸が荒くなる。 「すみれ、聞かせておくれ。その声を」  そう言って狐は着物の中のすみれを手の中に納め、優しく動かし始めた。 「あっ・・やあっ・・ああっ・・そ・そこ・・だめ・・」 「ふむ。しかし形が少し変わってきたぞ」 「う・・動かしちゃだめえ・・触ったら・・んんっ」  狐はすみれの体を自分にぴたりとつけ、腰を押さえてこすりつけ 刺激をあたえ始めた。 「あっ・・ああ・・いや・・お着物に当たっています」 「当たっているのではない。当てているのだ」  着物の生地で擦れ、狐に腰を押さえられ動かされている。 すみれは狐の首に抱きついて体の熱さに耐えるしかなかった。 「やっ・・いやっ・・だめですお館様・・熱い・・熱いです」  嫌だと言いつつ体は抗えない。狐を思い切り抱きしめる。 「だめっ・・いやあ・・熱いのが止まらない・・」  すみれは自分から狐の体に腰をすりつけ小さく震えていた。

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