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第67話*新しい朝*
「ん・・」
すみれが目を覚ますと天我に見つめられていた。
「あ、おやかたさ・・ふがっ」
思いきり鼻をつままれる。
「昨夜のことは忘れたかな花嫁殿。今日から俺のことを何と呼ぶ?」
「て、天我さま」
「さまはいらん」
「ですが・・」
「まあよい。いきなりでは慣れぬか、ではしばし待とう。しかし名前は許さぬぞ?
今度言い間違えたら、どこにいようと着物を脱がすからな」
「ええ-」
天我が笑う。
「今も体がだるいだろう。ゆっくり横になって居ろ。いま、果実水を用意させる」
「てんがさま。すごくうれしそう」
「何を言う、当たり前だろう。愛すべきものが隣にいるのに」
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