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第73話*灰羽のいたずら*
「水あめ?夕餉の時は変だよね。あめだし、いま食べてしまおうか」
蓋を取り、すみれは水あめを口にした。
「思ったより水っぽい?でも甘くておいしい」
「すみれ、少しふらついていないか」
「すみません天我様。なんだか体が熱くて頭がふらつくのです」
「風邪か?シマ水を持ってこい」
水を飲んでもすみれの具合はおさまらなかった。
「どうしよう天我様。ふらふらします」
そう言いながらすみれはシマの視界を遮り、天我の魔羅の上に手を置いていた。
「シマ、夕餉を下げろ。今日はすみれを早く寝かせる。あと果実水を持ってこい」
「どうしたすみれ、なにかあったのか?」
「よくわかりません。でも灰羽様から水あめを頂きましたあ」
「水あめ?食したのか、それを」
「甘くて、おいしかったですう」
「あの・・てんぐめえ・・」
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