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第80話*やるときはやる男だぜ*

「もー落ち着いてよ天我」 「お前が俺を怒らせるからだろう」 「今日は感謝してもらいに来たのにさあ」 「なに」 「見つけたぜ」  自信満々に灰羽が話す。 「本当か?」 「ああ、ここから結構離れているけどな」 「よし。では今夜にでも・・」  出よう。と言い出しそうになった天我が言葉を飲み込む。 「どうした天我」 「明日出よう」 「本気か?あいつらしょちゅう棲み処を変えるぜ」 「どちらにしろ多勢に無勢。何かあればお前は行け」 「そしてすみれとシマを守れ」 「は、何の冗談だよ?笑えないぜ」 「今夜は最後にすみれとゆっくり眠りたい」 「だからさ、その最後とかそういうのやめろよ。花嫁さんと いちゃいちゃしてから出かけたいでいいじゃん」  灰羽が怒りながら言う。 「そうだな。仲睦まじく過ごしたいな」 天我は少し遠くを見て呟いた。

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