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第85話*一人の布団*

今日も空を見上げるすみれ。 『天我。もう季節が一つ終わってしまうよ』 「シマさん。天我たちはどこに行っているの?いつ帰ってくるの?」 「わかりかねます。私は花嫁様をお守りするだけです」 『たぶん知っているんだろうなあ。それできっと絶対教えてくれないんだろうな』  朝も、昼も、夜も、窓の外を眺めるのがすみれの日課になった。 『早く帰ってきて。寒くなってきたら、一人のお布団は冷たいよ・・』

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