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第87話*最悪の再会*②
「灰羽さん、怪我は!」
「俺は大丈夫、もうすぐ血も止まる。それより天我だ、少しやられた。ほら、花嫁さん」
灰羽から渡されたのは焼き物の入れ物に入った液体。
「俺たち天狗が使う傷薬だ。羽が痛むからな。天狐は治癒能力がものすごく高いから
必要ないんだが気休めに塗ってやんな」
「は、はい」
俺は切られたような傷、矢で射られたような傷、噛まれたような傷に一生懸命薬を塗りこんだ。
噛まれたような傷・・?
「灰羽さん、もしかして妖と戦っていたの?」
「ごめん、花嫁さん。それは俺の口からは言えねえ」
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