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☆ 王宮の外に広がる世界にゲーム仕様には有り得ないモノが現れただって? ☆

* * * 「な……何なんだよ、この洞窟!?ここって本当に《セレスティア物語》の世界なのか?いや、そもそも……メイン舞台の王宮内から出られること自体がおかしいだろ。おい、地味男……お前、何したんだよ?いや、待てよ……これって、もしかして____」 「そ、それは、ないしょ…………まあ、まあ只野くん。こ、この先に何があるかなんて一緒に行ってみれば分かることだからね。だ、大丈夫……今この時には危険なことなんて起きようがないし――そ、それに……もしも只野くんに危害を加えようとしたヤツには僕が怒りの鉄槌を下すから……だから、ほら……一緒にお散歩しよ?」 所変わって、ここは王宮外のとある森の中(というよりは出口かも)____。 行けども、行けども緑生い茂る木々やそこら辺に群生する雑草しか存在してなかった場所を不本意ながらも歩いてきたわけだが、ふと奴が足を止めた場所に洞窟があることに気付いて俺は驚きと焦りが入り雑じった表情を浮かべるしかなかった。 そもそも《☆セレスティア物語☆》で王宮外に出られること自体がおかしいのは先程からずっと思っていたことだけれども、それよりももっとおかしいと感じたのは、その洞窟に見覚えがあったからだ。 「こ、これ……ダンジョン☆ウォーカーの舞台になる地下ダンジョンじゃないか……ってことは――地味男……お前、ふざけてた訳でも頭がおかしくなった訳でもなくて本当のことを言ってたのか?」 「や、やっと僕の言葉を信じてくれた?う、嬉しいなぁ……でも、僕の言葉を信じてくれなかったのは心外だよ――後で只野くんにも鉄槌を下さなきゃかな」 などと、会話しつつ辺田は中に入るのを躊躇している俺の手を半ば強引に掴むと、そのまま臆することなく《ダンジョン☆ウォーカー》に存在する筈の洞窟へと入っていく。 その洞窟が《ダンジョン☆ウォーカー》にあるモノだと判断した理由は、入り口に竜の象った黄金の柱が二つ存在していること。 また、その竜を象った黄金の柱の体である部分にそれぞれ【ёΛЭЮЩ Ψ ΛШЮ (ダンジョンへ導かれし者)】【δβγκδεζΨ (ウォーカー) 】と掘られているからだ。 それは、パッケージで何度が確認しているのと嫌でもテレビCMの紹介で目にしたため何となく覚えていたのだ。 悔しいし簡単には認めたくなんてないが、本当に《☆セレスティア物語☆》と《ダンジョン☆ウォーカー》は何らかの理由で融合してしまったらしい。 「い、言っておくけどな……俺に何かあったら……お前の責任になるんだぞ?」 「だ……だから、大丈夫だって。た、たとえ何があっても絶対に只野くんを守るから。だ、だって……只野くんは僕の運命の人……だから。そ、それよりも、一緒にあそこを散策してみようよ……あ、あんなにおかしな王宮にばっかりいちゃ……息が詰まるでしょ?」 「はぁ……っ……?」 などと、呆れ果てて満足な言葉さえも出なくなってしまった俺の手を強引に掴むと、そのまま有無を言わさすにグイグイと前へ前へと進んでいく辺田。 でも、そんな辺田の気まぐれとワガママにろくに反論もせずについていく俺も俺だが____。 * * *

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