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おかしいよ蒼大
「ただいま。」
バタバタ!
「いぶちゃ〜ん!お帰りなさい。」
「うわっ!」
大輝が凄い勢いで走って来て僕に飛びつく様に抱き付くとお腹の辺りで頬ずりをし始めた。
多分、大輝は僕が帰って来たのが嬉しいからではなくて帰りに大輝にと圭がくれるスイーツが目当てなんだ。
けれど今日は圭から貰ってくるのを忘れてしまった。
「ごめんね大輝。今日は圭から貰ってないんだ。」
「えっ?」
「そんなガッカリした顔すんな大輝。聖輝も疲れてるんだ。」
いつもならきっと蒼大は後で買いに行こうとか言って大輝を抱き締めるのに何故か八つ当たりみたいに大輝にも冷たい気がした。
修を無視した時から何故か僕にもイライラしているんだ。
「えっと、プリン作るから大輝。」
「うん!そうちゃんなんてだぁ〜い嫌い!」
「そっか、俺はシャワー浴びて来る。」
靴を脱いで1人でズカズカと歩いて行ってしまった。
何をイライラしてるの?
確かに僕が真さんにヤキモチやいて拗ねていたけれど大輝にも冷たい態度だなんておかしいよ。
蒼大が落ち着いたら話をしよう。
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