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話をしよう

大輝を寝かしつけてからリビングに行くと蒼大の姿はそこに無かった。 話をするのは無理なのかな? 寝室へトボトボ歩いて向かっていると携帯片手に蒼大が難しい顔をして寝室から出て来たのだ。 「ちょっと、聖輝。リビングで話をしよう。」 「分かった。」 蒼大はさっきよりもイライラしていて少し不安になる。 僕がソファに座ると身体をピッタリと付けて蒼大が隣に座って下を向いたまま何かを考えている様だった。 「蒼大?」 「悪い。聖輝にしたら嫌な気持ちになるんだ。」 「うん。」 「黙ったままでも心配なんだ。」 「うん。」 蒼大はガバッと顔を上げると僕に思いっきり抱きついてギュッと腕に力を入れた。 こんなにイライラして悩むくらい話しづらいんだよね。 僕は蒼大が話してくるまで待つよ。

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