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まだ終わっていない

蒼大は一回深く息を吸い込み吐き出すと僕を見つめた。 何を言われるのかと僕の心臓はドクドクと激しく動いているのが分かる。 指先が冷たくなり凄く緊張していた。 「あいつはお前を高校の時に犯した奴の兄貴なんだよ。」 蒼大? 何を言ったの? 「えっと・・。」 「修は知っていて雇っている。あいつは知っているか分からない。だがあの事件より前に実家を勘当されて何年も帰ってないのは事実だ。修はそこまで調べてから雇ったとさっき電話で言っていた。」 修は知っていた? 僕はあの日の犯人達を把握はしていなくてあのまま家出をしたから犯人達がどうなったかとか知らないままだ。 修の方で何かをしたのは知っている。 それは圭を主犯にしたくないという気持ちからだ。 僕も関わりたくなかったから警察にも届けなかった。 「もし弟と連絡を取っているならと思うと俺はあいつと仲良くして欲しくない。修にも言ったが弟と連絡を取っていないと言い切られた。」 怖い・・。 忘れかけていたあの日の行為が僕の身体から蘇ってくる様な感覚だった。 身体がガタガタと震える。 嫌だ。 まだ終わってないんだと終わりなんてないんだとこの時に思い知らされた。 僕を犯した人達は消えてなくなったわけじゃないんだから・・・・・。

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