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強くなる

震えた身体を蒼大が優しく抱き寄せて落ち着く様に背中をゆっくりと小さい子をあやす様に叩いてくれる。 「聖輝、大丈夫か?」 「うん。」 「無理するな、こんなに指先が冷たいだろ?」 蒼大は優しく指を絡めて片方の手をギュッと握り締めていてくれた。 暖かくて大きな手が僕は大好きでこうやって蒼大の腕の中に居るのが一番安心出来る。 不安や悲しみから救われる。 「僕、やっぱり怖い。偶然に犯した奴らと街で会うとかあるかも知れないと改めて実感したんだ。だから逃げないで闘う勇気が欲しいよ。」 「聖輝、1人で闘うなよ。俺達はお互いを伴侶だと決めたんだ。聖輝の背負っている物を俺にも分けてくれ・・・お願いじゃなくて命令だ。分けろ聖輝。」 「ありがとう蒼大。」 僕は蒼大の唇に触れるだけのキスをした。 さっき迄、怖くて仕方なかったのに蒼大が側にいれば強くなれる。 ありがとう蒼大。

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