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聞いていない Side蒼大

新しいスタッフが増えたと圭から連絡を受けたのが昼過ぎだった。 修にいつも新しいスタッフが増えたら連絡を入れて欲しいと伝えておいたのだが今回だけは連絡が入って来なかった。 圭が心配をしてメールを送って来た。 [蒼大、大丈夫なのか?新しいスタッフが聖輝をヤッた奴の兄貴だって聞いてるよな?] そのメールを見た瞬間に今直ぐにでもカフェに出向き修に圭の送って来たメール内容が真実かを聞き出したかった。 「蒼大?パソコンの前で青い顔して大丈夫か?何かミスしたか?」 「あっ?違うから平気だ。すまない淳平。」 「困ったら言えよ。俺でも役には立つからさ!」 「ありがとうな淳平。」 あの日の事を思い出す。 聖輝を失ったあの日から暫くして圭に真実を打ち明けられ俺は犯人達を探し出しボコボコに途中修が止めたけど気が治らなくて脅しておいたんだ。 あのままの勢いだと俺は過ちを犯していた。 修が途中で止めに入ったから俺は普通に暮らしている。 俺が過ちを犯すのは見たくない圭だけで充分だと強く言われたから今まで全て修に任せて来た。 仕事を早く片付けて今日は聖輝を迎えに行くと決めて淳平が違う意味で心配をする位に集中して定時で終わらせた。

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