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待つ間 Side蒼大

仕事を手際よく終わらせると俺は定時で退社した。 聖輝の事を理解してくれている拓人さんや淳平が協力してくれるから俺は定時で退社が出来ている。 新たな問題があると相談なんかしたらきっと2人は心配をしてくれて休めとか言いだしかねない。 今でも甘えてるのにこれ以上は甘えれない。 車の中で聖輝が出てくるのを待っている間にそんな事を考えていた。 少し前までは1人には出来ないとか思っていたがアイツの兄貴が一緒に働いていると思うとおかしくなりそうだった。 また聖輝が辛い思いをするんじゃないかとか色々と考えてると高校の時の事が蘇ってくる。 聖輝が拉致られた時も事故で危なかった時も居なくなると思って恐怖を感じたが高校の時は我を忘れるくらいに荒れて圭を見ると暴言を吐いた。 もしアイツが聖輝に何かしたら俺は・・・我を忘れて・・・・・。 俺はハンドルに額を付けて色んな感情と戦っていた。 コンコン! 音のする方を見ると聖輝が笑顔で助手席の窓を叩いていた。 俺はこの笑顔を守りたいんだ。 ずっと俺の隣にいて笑っていて欲しいと細やかな願いだ。

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