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お花見 11

「しんちゃん。さくらキレイだね。」 「そうね。本当に綺麗ね。」 真さんの膝の上に座って大輝は桜を見上げている。 さっきあんな事があって怖かったはずなのに僕は落ち着いて皆んなと桜を見ている。 「綺麗だね。蒼大。」 「そうだな、綺麗だ。」 僕達を包み込むように風に舞う桜の花びらチラチラと舞い落ちてくる。 本当に綺麗。 「ねぇ、大ちゃんは何が好きかしら?」 「僕は海くん!」 「えっと・・・食べ物なんだけれど海君は食べ物?」 「あっ・・違うよ。僕のお友達!僕はハンバーグが好き!」 近くだったら海君も呼んでお花見が出来ただろうけれど遠くに行ってしまった海君を呼ぶことは出来ない。 もし来たとしてもまた別れが辛くなる。 大輝は真さんにハンバーグを取ってもらい口いっぱいにほおばりながら嬉しそうに食べていた。 いつか大きくなったら海君にまた会えるといいね大輝。 僕はそんな事を思いながら蒼大の手をギュッと握りしめ蒼大を見ると蒼大も僕の手を握り返して優しく微笑んでくれた。

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