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出来たわよ
「そろそろ仕上げに取り掛かるわね。」
「お願いします。」
僕は桃さんに任せて静かにしていた。
メイクは終了したみたいで今度はウィッグを手に持ち僕の頭に被せてヘアーをセットしていくと桃さんの目が大きく見開いた。
「出来たわよ!」
「ありがとうございます。」
まだどんな風に外見が変わったかは見せてもらえてなくて桃さんはドレスに着替えてからのお楽しみと言った。
「はい!じゃあこれに着替えてね。私は後ろ向いているから着替え終わったら声掛けて頂戴ね。」
「はい。」
手渡されたドレスの上にフリルやらレースの下着が置かれていて僕はビックリしてドレスを下に落としそうになった。
女性用の下着?
「あっ、その下着は男性用にして貰ってるからね。」
「男性用に?」
「皆んなが待ってるから早く着替えてね。」
「はい。」
お断りしようとしたけれど桃さんの放つオーラに負けて僕は仕方なく着替え始めた。
どう見ても女性用にしか見えなくて履いてみるとビックリした。
違和感ない。
小さいからショーツの方は収まるんだろうかとか考えていたけれどピッタリとしていた。
流石にブラジャーは締め付けられてる感があり不快に思えてしまう。
ドレスを着たは良いが後ろのファスナーを締めることができなくて泣きそうになった。
「桃さん、後ろのファスナーが締めれません。」
「分かったわ。聖輝君の方向いても大丈夫?」
「はい。」
桃さんはゆっくりと僕の方を向いて動きが止まった。
やっぱり似合ってない?
男だから気持ち悪く見えてるのかな?
こんなので皆んなの前に出て大丈夫?
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