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可愛らしく

「あの可笑しいですか?」 桃さんは僕が話しかけるとハッとして輝く様な笑顔を向けてくれた。 「可愛らしくて凄く綺麗よ!ほらっ、見て見なさいな!ねっ、聖輝ちゃんよ。」 「これが・・・僕。」 全身が映る鏡の前で僕は後ろから桃さんに肩を抱かれる感じで立っているのは分かる。 でも鏡に映る僕は女性だった。 姉にも少し似ている気もするが母親の結婚式の写真を見ている様な感じだった。 「お母さん。」 「えっ?お母さん?」 「はい。僕は母親の若い時に似ています。結婚式の写真を見せて貰ったんです。」 「聖輝ちゃんのお母様は綺麗だものね。聖輝ちゃんはお母様に似てるのね。きっとご両親が見たら驚かれるわね。」 「はい。」 きっとじゃなくて絶対に驚くと思う。 それにしても男性だと思わせない様なデザインにしてくれていた。 胸元までは布地で首から手首それにウェストにかけて花のレースで包み込む様に肌の露出を抑えてある。 ウェストから下はふんわりとした感じで足元は歩いても裾を踏まない様な絶妙な長さだった。 裾をよくみると真っ白じゃなくて薄いブルーが入っていて少し濃いめのブルーで花が散りばめられていた。 これってブルースターなのかな?

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