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綺麗

下を向いていると急に温かいぬくもりを感じてギュッと力強く抱き締められていた。 「聖輝、綺麗だ。ありがとう。」 「変じゃない?」 「綺麗だ。」 蒼大に綺麗だと言われて男だけれど凄く嬉しかった。 きっと蒼大の優しさから綺麗だと言ってるんじゃないかと思っていたんだけれど抱き締めてくれる腕の力で蒼大が本心で言ってくれてるのが伝わってくる。 「蒼大。」 「ごめん。あまりにも綺麗だから力が入り過ぎた。」 「あまり見ないで恥ずかしいよ。」 「見せてくれよ。奥さん。」 「もう、本当に恥ずかしいからやめてよ。」 蒼大は僕の頬を両手で包み込む様にして上を向かせて鼻と鼻が当たるくらいまで顔を近づけてきていた。 キスされる? カシャ! 「ご馳走様です。」 直さんの隣にカメラを持って僕達を撮影した男性が悪戯に笑った。 「また使わせて貰いたい。今度は雑誌でダメかな?」 いきなり写真を撮って雑誌で使いたいとか誰ですか? 僕が困惑をしていると蒼大が僕を抱き締めてニヤリと笑う。 「イイですよ。どんな感じが良いですか?」 「イイね!じゃあ頬にキスとか?」 「はい。」 はい? 要求に応えようと蒼大は僕の頬にキスをしようとしたから思わず蒼大の顔を押さえて目を瞑り蒼大から顔を背けた。

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