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綺麗だ Side蒼大
事前に直さんから聖輝がウェディングドレスを着る事になっていると聞かされていた。
ドアの向こうに聖輝がいる。
俺は深呼吸をして直さんの後に続いて中に入ろうとして動きが止まってしまった。
あまりにも綺麗で俺は息をすることすら忘れてしまっていた。
暫く聖輝に見惚れていると聖輝は下を向いてドレスのスカートをギュッと握りしめた。
「聖輝?」
「うん。」
聖輝は俺の方を見ないで下を向いたまま返事をした。
肩は少し震えていて聖輝の事だから悪い事を考えているのだろうか?
俺は聖輝にゆっくりと歩み寄り包み込むようにして抱きしめた。
「聖輝、綺麗だ。ありがとう。」
「変じゃない?」
「綺麗だ。」
やはり聖輝は変だと思っていたんだ。
「蒼大。」
「ごめん。あまりにも綺麗だから力が入り過ぎた。」
「あまり見ないで恥ずかしいよ。」
「見せてくれよ。奥さん。」
「もう、本当に恥ずかしいからやめてよ。」
聖輝の顔を近くで見たいという気持ちが我慢できずに俺は聖輝の頬を両手で包み込む様にして上を向かせて鼻と鼻が当たるくらいまで顔を近づけた。
本当に綺麗だ聖輝。
カシャ!
「ご馳走様です。」
直さんの隣にカメラを持って俺達を撮影した男性が悪戯に笑った。
「また使わせて貰いたい。今度は雑誌でダメかな?」
「イイですよ。どんな感じが良いですか?」
「イイね!じゃあ頬にキスとか?」
「はい。」
聖輝が恥ずかしがる姿が見たくて俺はカメラマンの言うことに同意をした。
要求に応えようと俺は聖輝の頬にキスをしようとしたら聖輝に顔を押さえつけられて俺から顔を背けたのだ。
調子に乗りすぎたなと少し反省をした。
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