656 / 699

綺麗だね Side大輝

「あっ、いぶき!」 そう言ってスポットライトを浴びている蒼大兄と隣でウェディングドレスを身にまとった人を指差す。 聖輝兄? うそっ? 会場も静まり返り隣に座っている咲君は聖輝兄をずっと見て目をキラキラと輝かせている。 2人が席の前に立って蒼大兄は聖輝兄を引っ張り膝の上に座らせている。 どう見ても女性にしか見えない。 「まじかぁ〜。あれが聖輝?」 「いぶき、きれい!」 智哉さんもやっぱり聖輝兄とは思えないと言った表情をしているが咲君だけは喜んでいる。 小さな子は正直だから聖輝兄を綺麗だと思うんだよね。 「近くに行こう咲君。」 「うん!」 僕は咲君の手を握り近づいて行くと遠くで見ていても綺麗だった聖輝兄だが近くに行くと凄く綺麗だった。 「綺麗だね。」 「うん。」 咲君は繋いでいた手を離すと聖輝兄に走り寄り何かを話しし出すと強張っていた聖輝兄が自然な笑みを浮かべた。 笑うと綺麗だけじゃなく可愛らしさが増して会場にいた人達はシャッターを一斉に切り始めた。 まるで芸能人の披露宴みたいだ。

ともだちにシェアしよう!