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当たりだな
チョコを包み紙から取り出すと皆んなが手のひらに乗せた。
「せぇ〜のっ。」
修の掛け声で一斉に口の中に入れた。
皆んながモグモグと無言で噛んでいる。
僕もモグモグとしていた。
僕のは激辛チョコじゃない?
と、思った時だった。
「うわぁっ!!!!!辛っ。」
叫んだのは、蒼大だった。
皆んなはじゃあもう1人は誰だと顔を見合わせた。
嘘であって欲しかった。
蒼大みたいに叫んだりしなかったが辛さで目から涙が出てきていた。
「僕だ・・・・・・。」
蒼大は辛すぎたのかグラスにあるジュースを一気に飲み干していた。
皆んなは自分じゃなかったのが嬉しいのか俺らを見て笑い転げている。
最低だ。
修となら付き合っても普通にやり過ごせそうな気がするがよりによって蒼大だなんて・・・・・。
いつも意見のぶつかり合いしか記憶に無いのだけど僕の3学期は終わった。
「聖輝は、ジュース飲まなくて平気か?泣いてるけど大丈夫か?」
ほらっ、笑ってたけど修は僕に気を遣って優しく声をかけて来てくれる。
僕が女の子なら絶対に修を選ぶね。
間違えても蒼大なんて選んだりしない。
「うん。辛いけど大丈夫。ありがとう修。」
「うん。」
修は慰める様に頭をポンポンとしてくれて優しく微笑んでくれた。
僕の心臓がドクンッと激しく跳ねる。
イヤイヤ僕は男にキュンとする様なこと無いぞ。
僕は女の子が好きなんだからな。
でもこのドキドキは女の子を好きになった時と同じ様な気がする。
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