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まさか?
僕はどの位教室で考え込んでいたのだろう?
気付いたら教室には僕だけしかいなかった。
僕は蒼大が気になりまだ追いかけたら追いつくだろうか?
考えるよりも体を動かそう。
考えるのは蒼大に会ってからにする。
「よし。」
僕は蒼大が嫌いだ。
けど・・・・・どうしてだろう?
今は前ほど嫌いではない自分がいるのに気付いてしまった。
僕は鞄を持ち教室から出ようとドアを開けた。
えっ?
まさか?
そんな・・・だってさっき帰るって言って帰ったんじゃないのか?
どうして下を向いて蒼大がドアの前に立ってるんだよ。
「蒼・・・大・・・・わっ・・忘れ物か?」
蒼大は握り拳を作りギュッと強く手を握り締めている。
えっ?
もしかして俺を殴りに来たとか?
イヤイヤ、殴られる様な事した覚え無いんだけどね。
「帰らないのか?」
いつもの僕なら嫌味みたいな事を言って言い合いになるのだが蒼大がそこに居ると分かると何だか嬉しくなっていた。
なんだろこの気持ち?
でも蒼大やっぱり僕の問い掛けには答えてくれない様な気がしてきた。
「あの・・・さっきは悪かった。これ・・・・・。」
僕の目の前に出されたのは薄いピンクの包装がしてあって赤いリボンが付いていた。
まさか?
「えっと・・・ありがとう。」
僕は受け取ると鞄から僕が蒼大に渡そうとしていたチョコを取り出して蒼大の前に差し出した。
「僕からも・・・・僕もごめん。」
蒼大がどうして僕を無視してたとかなんだか今のでどうでも良くなった。
1日早いハッピーバレンタインだな。
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