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どうした僕?

「聖輝・・・・・ごめん。」 またこの顔をする蒼大は今にも泣きそうな顔をして僕を見てくる。 蒼大はどうしてこんな顔をするようになったんだろうか? この顔をされたら僕は何をされても許してしまいそうになる。 「蒼大。あの・・・・・大丈夫か?何か悩んでるのかよ。」 何か悩んでるからこんな変な行動になるのか? 蒼大は唇を噛み締めて下を向いてしまった。 「聖輝?」 僕は蒼大を抱きしめていた。 「蒼大。よく分かんないけど元気出せよ。」 蒼大が辛い顔をすると最近胸がチクチクと痛むんだよ。 どうしたんだろ僕? 蒼大は僕の肩に額をつけるとギュッと抱きしめ返してきて震えていた。 こんな弱い蒼大は初めて見る。 なんとかしてやりたいと思ってしまうくらい弱々しく見える蒼大。 「す・・・・・すきなんだ。」 今にも消えそうな声で蒼大が呟いた。 好き? えっ、ちょっと待って蒼大は誰を好きなんだ? 僕はその言葉に胸が締め付けられるくらいに痛くなり動揺していた。 「蒼大?好きなの誰?」 聞きたくないけど何故だか聞いてしまった蒼大の好きな人。 好きなの人が居てもおかしくは無いけど凄くモヤモヤとする。 蒼大は僕のなのに・・・・・・。 あれ? 僕は今・・・・・えっ? どうした僕? 蒼大を好き? イヤイヤありえないよな・・・・・・。 でも誰にも取られたくないとか好きって事?

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