31 / 699

放課後です

蒼大と口を利かないまま放課後になってしまった。 僕は鞄を持つと蒼大が座っている席に行こうと歩き出した時に圭が蒼大の肩を叩いて何か話をしている。 圭の顔は少し赤くなっていてそれを見上げる蒼大はなんだか・・・・・・。 ずきんっ。 僕の胸が痛くなる。 何これ? 「わりぃ、聖輝。先に帰ってて俺今日は一緒に帰れないわ。」 席を立ち僕の方を見て蒼大が言うその隣には圭が立っている。 「わっ・・・。分かった。」 僕はちゃんといつもと同じ顔をして蒼大に返事が出来ている? 目に涙が溜まりそうになるのが分かる。 気付かれたくないけど上手く隠せてないかもしれない。 でも僕はどうしてこんな苦しくなるの? 昼間気付かないフリをしていたんだ圭が好きな相手がもしかしたら・・・・・。 考えたくなかった。 だってそう思ってしまったら僕は・・・・・・。 今頃気づいても遅いかな? 僕は蒼大が大好きなんだって・・・。 だから圭の告白相手が蒼大とか考えたくない。 でも今目の前で蒼大と圭が教室から出て行こうとしている姿を見ると胸が苦しくなる。 2人が教室から出て行った後僕は自分の席に座り机に突っ伏して涙を堪えた。 けれど一度気づいて出てしまった涙がそう簡単には止まりそうになかった。 まだ周りには生徒がいる皆んなが帰って落ち着くまで寝てるフリするしかなかった。

ともだちにシェアしよう!