33 / 699

告白 Side蒼大

「あの、蒼大・・・。話があるんだ。」 「なんだよ圭。」 告白の2文字が頭を過るが敢えて気づかないフリをして返事をした。 「ここじゃあ、話しにくいから・・・・・・。」 「俺、聖輝と帰らないと駄目なんだけど?」 「あっ、うん。俺達の罰ゲーム聞いてるだろ?」 「罰ゲームと俺は関係あんの?」 「あるんだよ。お願いだから話を聞いてくれよ。」 人を好きになる気持ちは分かるしきっと圭は今の状態は不安で胸が張り裂けそうなはずだ。 俺も・・・聖輝にはそうだ。 だけど・・・。 「分かった。聖輝には今日帰れないって言うよ。」 聖輝に、帰れないと告げると『分かった』と返事をしてくるが少し様子がおかしかった。 近づいて確かめたかったが圭が俺を急かしてくる。 仕方なく俺は圭と教室を後にした。 学校から近い公園のベンチに並んで座ったが圭はさっきから黙ったままだ。 「圭?話って何?」 「あっ・・・えっと・・・俺・・・・・・。」 「どうした?」 分かっていて聞いている俺はタチが悪いな。 「蒼大が好きなんだ。」 「あっ・・・。俺は好きな奴いるから・・・ごめん。」 圭はやっぱりと言った顔をして目に涙を溜めている。 「分かって・・・たんだ。蒼大・・・・・ずッと見てきたから・・・・・・聖輝が好きなんだろ?」 泣きながら圭が言ってくる。 これが聖輝なら抱きしめて唇を重ねるが気持ちが無い相手には触れれない。 「ごめん圭。」 「うん。分かってたから・・・。」 涙を制服の袖で拭き取るとバッと立ち上がって圭が笑う。 「聖輝と上手くいけばいいな。」 「うん。ありがとな圭。」 「はぁ〜。俺は蒼大が本当に好きなんだからな・・・・・。でもまだ友達ではいてくれるだろ?」 「圭は友達だ。気持ちには応えてやれない。」 ごめんな。 圭・・・・・・・。 でも俺は聖輝が好きなんだ。

ともだちにシェアしよう!