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怪我

「はぁはぁ、何やってんだ聖輝!」 僕の側にしゃがみ込んで地面を殴っている手を掴み止めた。 この声は・・・。 「血だらけじゃないかよ。他に怪我してないか?動けるか?」 僕を心配して優しく話しかけてくれる声は僕が望んでいた人のだ。 「そ・・・そう・・・た。」 「痛いか?」 僕は泣き顔を見られたくなくて地面に額をつけたままジッとしていたが流石に道行く人達のザワザワした声が聞こえてくる。 「立てるか?」 「蒼大・・・。顔見られたくない。」 「はあっ?何を言ってんだよ。もしかして、顔打ったのか?」 「ちがっ・・・うから・・・・泣いて・・・。動けるとは思う。」 蒼大は掴んでいた手を離すと僕の頭を優しく撫でた。 「分かった。おんぶするからそしたら顔見えないだろ?」 「おんぶ?」 「なら、お姫様だっこが良いか?」 おんぶにお姫様だっこってどっちも凄く凄く恥ずかしいよでもこのままもかなり恥ずかしいよな・・・・・・・。 「お・・・おんぶして・・・・・・。」 「はい。早くしないと俺も恥ずかしいから聖輝。」 顔を上げると目の前に蒼大がしゃがんで座っている。 気を使って前を向いていてくれる蒼大の優しさに胸がドクンと跳ねた。

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