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傷痛いです

「イテッ。」 「ごめん。しみるか?」 「少しだけ、大丈夫だから蒼大。」 「もう少しだけ我慢してろよ聖輝。」 僕の手をペットボトルの水で綺麗に傷口を洗うと消毒液を付けてくれる。 結構なチカラで僕は地面を殴っていたみたいで右手の至る所に細かな傷が出来ていた。 「ガーゼして包帯巻くかな?カットバンだと無理そうだもんな。」 「うん。ごめん蒼大。」 「良いから謝んな。こいう時はありがとうで良いんだよ聖輝。」 「ありがとう。蒼大。」 蒼大は優しく笑ってから手に包帯を巻いていってくれる。 それを見ながら僕はドキドキしていた。 「足とかは?ズボン上げていいか?」 「自分でする。」 「その手で?」 「あっ・・・だよね。お願いします。」 手を見ると包帯がグルグル巻きにされていて上手く指を動かせなかった。 ここまでグルグル巻きにされたの初めてかもしれない。 「やっぱり、両膝から血が出てるな。」 「イッ・・・・。」 「こっちはカットバンでいけそうだな。」 蒼大は消毒をしたら両膝にカットバンを貼ってくれた。 「他に痛くないか?」 「あっ、うん。平気。」 「おっ、顔拭かなきゃな。」 袋からウェットティッシュを取り出すと僕の顔を拭いてくれた。 血だらけの手で瞼とか擦ったから顔が汚れていたのだ。 「よし、可愛くなった。」 「へっ?」 「うん?どうした聖輝。」 あまりにも普通に可愛いとか言うからビックリして変な声を出してしまった。 絶対に僕の顔は赤くなっている。

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