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我が家へようこそ 1
「聖輝君。甘い物とか食べれるか?あっ、ココア飲めれるから大丈夫かな?」
キッチンから大きな声で大地さんが聞いてきたが僕がココアを頼んだのを思い出したのか1人でブツブツと言っていた。
「大地さん。僕は甘い物とか大丈夫です。」
僕はキッチンに向かって大きな声で返事した。
大地さんはずっと何も聞かないで居てくれるしこうやって今日見ず知らずの僕を家に泊めてくれようとしている。
こんな僕を・・・・・・。
それに赤ちゃんの名前にまで僕の名前の漢字を使うなんて凄く良い人なんだよな・・・・・。
「お待たせ。店の余りもんで悪いが好きなの食べろ。」
トレーに乗せられてきたのはココアと大地さんが飲むブラックコーヒーとお皿に乗せられた色とりどりのケーキだった。
「これ、取り分ける皿な。」
「あっ、ありがとうございます。」
「晩飯の前にやっぱり間食はマズいか?」
「大丈夫です。」
どれも美味しそうでいつもなら2個か3個は平気に食べるが僕の感情が食欲を無くさせていた。
けれど親切に出してくれた大地さんに悪くて断れずにいる。
ココアを一口飲んでからケーキを選んでいる様な素振りをした。
「ごめんな。やっぱり男の子だからケーキとか苦手だよな?」
「いえっ。本当に甘い物は大好きでケーキを買ってもらったら2個か3個は食べます。」
「聖輝君はケーキ好きなのか?」
大地さんは僕の正面に座っていてテンションが上がったのかテーブルに身を乗り出して僕に近づいた。
「あっ、はい。」
余りの近さに僕の体が少し強張った。
「あっ、すまん。ケーキの話になると我を忘れてしまう。」
大地さんは乗り出していた身を元に戻して照れながら頭を掻いていた。
この仕草はたまに蒼大もしていた気がする。
どことなく蒼大に似てるのかな?
顔とか似ていないが仕草とかが少し蒼大に似ていた。
蒼大は何してるかな?
「聖輝君?」
「あっ、はい。すみません。ぼ〜っとしてました。」
「疲れたか?大丈夫か?」
「大丈夫です。じゃあこのフルーツタルトもらって良いですか?」
「おぅ。食え、好きなだけ食え。」
笑顔でケーキの乗った皿を僕の方に押してくる。
やっぱり大地さんて蒼大にどことなく似ている。
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