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我が家へようこそ 4

「もしもし、お母さん?」 『聖輝?聖輝なの?』 「うん。」 受話器の向こうで慌てお父さんを呼ぶお母さんがいる。 『聖輝!何処にいるんだ?なんだこの手紙は!』 「ごめんなさい。お・・と・・・うっ・・・ヒクッ・・・」 僕は泣いてしまいうまく話せなくなった。 『聖輝?痛いのか?大丈夫なのか?』 お父さんは怒っていたけど僕が泣きだすと僕が無事なのか凄く心配をしてくれた。 話したいけど涙が止まらなくてうまく話ができないでいると大地さんが笑って手を差し出してきた。 僕は頷いて大地さんに携帯を渡した。 暫く大地さんが話をして通話を終了して僕に携帯を返してきた。 「明日、ご両親がココに来られるからその時にちゃんと話をしよう。」 「はい。」 大地さんは僕の頭を軽くポンポンと叩いてニッコリと微笑んだ。 「よし、今日はカレーにするけどいいか?」 「あっ、はい。」 「お腹空いてたら悪い事しか考えないからな。食べたくなくても食べてもらうぞ!」 「あっ・・・はい。」 大地さんと話をすると嫌な事とか全部忘れてしまいそうになる。 僕に起きた事は全部悪い夢なんじゃないかと錯覚してしまう。 けれど体に受けた痛みがそれを現実だと言い放つのだ。 明日になれば両親がここにやって来る。 僕は家に帰らないとダメなんだろうか? 帰りたくないと言っても行くあてもないからやっぱり両親と一緒にもどらないとダメだよな。 キッチンに立って料理をしている大地さんの背中を見ながら1人色々と考えていた。

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