65 / 699
修学旅行 2日目 2
暫くすると皆んなが展示室から出て行った。
「なぁ、さっきの奴らって聖輝の前の学校の奴ら?」
「へっ?」
「聖輝。ちょっと来い。」
悠真が僕の手を掴み元来た通路を戻ろうとした。
「でも、治樹君と智哉君の所に行かなきゃダメだよ。」
「治樹と智哉、俺らトイレ行ってくるから先に行っててくれよ。」
悠真はそう言って2人の返事を待たずに歩き出した。
「お前さ、そんな顔であの2人の前に行くつもりかよ。」
「えっ?」
僕はどんな顔をしているの?
トイレに着くと人はいなくて鏡の前に連れてこられた。
そこに映った自分を見て驚いてしまった。
「泣いてんだろ聖輝。」
「ごめん・・・・・大丈夫だから・・・・・ごめんね悠真。」
気付いたら目から涙がボロボロと零れ落ちていた。
目を擦ろうとしたら悠真に手を掴まれた。
「バカか聖輝。擦ったら目が腫れるだろうが顔洗え。」
「あっ・・・ごめんね悠真。」
「いいから、何があったか知らないが大地さんからは言うなって言われてたけど前の学校の友達となんかあったんだろ?」
「ゆ・・・悠真。」
僕は驚いて目を見開きらき悠真を見た。
「だから、俺さお前があの灯台に居た時にたまたま見てたんだよ。俺が止める前に大地さんが止めに入ったから任せたんだ。俺も色々あってたまに気分転換に灯台に行くんだよ。」
「ぼ・・・僕。」
「無理に話さなくていいから詳しくは聞かないけど聖輝がまたあの時みたいになったら俺も治樹や智哉も心配すんだよ。大地さんとかもだ。」
「うん。」
あの時とは灯台の時の僕を言っているんだろうな悠真。
僕は流れてくる涙が止まるまで顔を洗っていた。
「聖輝だよな?」
顔を拭いていると僕の事を呼ぶ声がするでも僕はその声の方を見る事ができない。
どうして・・・・・・会いたくないのに・・・・・・。
ともだちにシェアしよう!