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修学旅行 2日目 5
僕が2人を呆然として見ていると悠真が僕の手首を掴んだ。
「聖輝、バスの時間があるから行くぞ!」
悠真に強く手首を握られて2人が何か言っているけど無視をしてドンドン進んでいく後ろ姿を見て悠真が怒っているのが分かった。
「悠真!早く来いよ。バスそこまで来てるから走れ!」
治樹君がバス停の所から叫ぶと悠真は少しだけ小走りに走り出した。
僕も一緒に走った。
「おそっ、うん・・・うぎゃっ。」
治樹君が言いかけた時に悠真は腕を治樹君の首に回して締め上げた。
「ちょっ・・・イタ・・・言わないから・・・離せ悠真。」
かなり痛そうだよ。
「聖輝、待って!」
後ろから声のする方を見ると修と圭が走って追いかけてきていた。
だがバスはもう停留所に着こうとしている。
「修、ごめんね。」
僕はなるべく大きい声で修に届くように言った。
その時、バスが停まり悠真に促されるようにバスに乗り込んだ。
僕はバスの後ろに座り振り返ると修と圭の横に蒼大がいて2人に話しかけている。
「蒼大・・・・・。」
僕が蒼大の名前を呟くと修がこちらを指差し蒼大がバスに目線を向けた。
バスの扉は閉まり走り出す。
蒼大と目が合い僕は動けなくなりずっと蒼大を見ていた。
すぐそこに会いたかった蒼大がいる涙が溢れ出して泣きそうになるのを必死に堪えていた。
蒼大はバスに向かって走ろうとしていたが修に腕を掴まれ止められてその場に座り込んでしまった。
蒼大・・・。
蒼大、蒼大・・・。
ずっと会いたかった蒼大が目の前にいるのに・・・・・。
どんどん蒼大が小さくなり見えなくなってしまった。
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