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修学旅行 2日目 Side蒼大 1
修学旅行。
いつものメンバーで色々と寺や神社を見て回っている。
そこには聖輝が居ない。
俺は修学旅行というか聖輝が居ない学校なんてどうでもよかった。
それに圭がいるのが1番苛立たしかった。
圭がやった事を知ったのは聖輝が居なくなってから暫くしてからだった。
「蒼大、勝手な行動するなよ。」
修が先に行く俺に叫んでくるけどやっぱり圭が居るとダメだ。
本当は圭の顔なんて見たくないし声も聞きたく無い。
話しかけられたら殴りたくなる。
聖輝に会いたい。
会ったら強く抱きしめて俺はどんな聖輝でも好きだって言える。
聖輝の事を知っているのはあの日たまたま俺と一緒に居た修だけだ。
聖輝を襲った奴らは俺が何も言えないようにボコボコにしてやった。
もし他から話を聞いたらどうなるか分からないからと脅しておいたから大丈夫だとは思う。
「蒼大、頼むから修学旅行中は皆んなと一緒にいてくれよ。」
修が俺を追いかけてきて腕を掴んだ。
その腕を振り払うと修の後ろに隠れている圭を睨んだ。
「そいつが居るから無理だわ。けど修の頼みだから大人しくグループ行動には参加するがそいつとは、話したりしないからな。」
「分かったから蒼大。ちゃんとグループにいてくれよ。」
「ハイハイ。」
圭は今にも泣きそうな顔をしていて修に耳打ちすると1人で何処かに消えてしまった。
偶然に聖輝に会ったりしたら嬉しいけどまず奇跡が起こらない限り無理だろうな。
聖輝の家の人に聞いても居場所は教えれないとか言われたもんな。
学校に行ってるかすら分からないんだから偶然なんかありえないよな。
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