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修学旅行 最終日 2
バスは目的地に到着。
滝までは駐車場から徒歩で15分くらいで行けるらしくて12時に駐車場の近くに集合。
「ふぁ〜っ。よく寝た。」
「治樹、ヨダレついてるぞ。」
「えっ、うそ。」
「うん。うそだよ。」
「悠真、ビックリすんだろ。」
悠真は治樹君の頭をグシャグシャとして笑っている。
悠真と治樹君が幸せでよかった。
「聖輝、滝だ。」
「うわぁ〜。凄いな!」
智哉君が指差す方に視線を向ける。
何メートルあるんだろ?
マンションだったら10階くらいなるのかな?
水が勢いよく下に落ちてくるのを見ているとなんだか吸い込まれそうになる。
そこの空間だけがひんやりと冷たくて滝を見ていると心が揺さぶられそうだった。
「凄いよね。あれ?」
僕が滝に見とれている間に悠真達とはぐれてしまった。
そんなに広くない場所なのに細い道があるからそこに入ったのかな?
携帯で電話しようにも電波が安定しないから直ぐに圏外になってしまう。
仕方ない。
取り敢えずお昼の集合場所に向かおうと脇道に入った。
どうして僕は来た道を戻らなかったんだろう。
脇道を何故選んでしまったのかと後悔する事になるなんてこの時は思いもしなかった。
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