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修学旅行 最終日 3
もう少しで確か道が合流する地点だったと思うんだけど?
真っ直ぐに引き返せば良かった。
「あれ?聖輝君が付いてきてない。」
「本当だ。治樹ココで待つか?智哉は彼に電話中だしな。」
この声、悠真と治樹君だ。
僕は声が聞こえて来たから早くみんなの所に行かないとと思い走り出そうとした時だった。
「ウウッ!!!」
急に後ろから口を塞がれて気付いたらお腹辺りに腕が回っていた。
「久しぶりだね。イブちゃん。」
耳元で荒い息遣いで僕の名前を呼ぶ。
この声を僕は知っている。
嫌だ!
僕は抵抗しようと塞がれている手を掴もうとすると目の前に人影が現れて両手を掴まれてしまった。
「暴れんなよ。俺達と愛し合った仲だろ?また会えて嬉しいよ。突然居なくなるからさ寂しくて聖輝ちゃん。」
「ウウッ!!!!!!」
「騒いでもこっちからは誰もこないぞ。」
手を掴んでいる男子生徒の顔が僕の顔に近づいてくる。
嫌だ。
こんなの・・・・・・もう誰にも触られたくない。
「少しだけ移動なイブちゃん。」
後ろ向きに歩かされて少しだけ細い脇道に連れ込まれた。
「俺達さ見つけた時はビックリしたけど会えて嬉しいよイブちゃん。」
耳に舌が這う。
気持ち悪い。
逃げたいけど恐怖で身体が動かなくなり目には涙が溜まりだしていた。
「俺達も修学旅行で帰りがこの滝なんだよね。これって運命の再会なんじゃない聖輝ちゃん。」
運命・・・・・・。
そんな再会なんて・・・・・・・。
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