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修学旅行 最終日 Side悠真 3

俺が呆然と立ち尽くしていると隣にいたはずの蒼大が居なくなって次の瞬間に聖輝に乱暴したと思われる男子生徒が地面に倒れていた。 蒼大は聖輝の側により自分の腕の中に引き寄せる。 聖輝は抵抗している。 その光景に胸が痛み涙が出そうになった。 もしこれが治樹だったら? 背中がゾクゾクとして変な汗が額から流れてくる。 少し震えながら治樹に連絡をした。 治樹に智哉と変わってもらい先生にはうまく話してもらって聖輝の着替えの服を持って来てもらうことにした。 滝に来るからと治樹とタオルを持って来ていたから聖輝が落ち着いた時に蒼大に渡した。 聖輝は俺に見られたことで動揺して上手く息が吸えなくなってしまい蒼大が聖輝を落ち着かせている。 聖輝はこんなにも蒼大に大事に思われている。 でも聖輝の姿を見て改めて汚れていると傷ついて蒼大から離れた気持ちも分かるかもしれない。 こんなの好きな人には見られたく無いし何も無かったと言える状況じゃ無いよな・・・・・・。 平気な顔して付き合えるとか俺も出来そうに無いと思う。 聖輝、俺はまだ聖輝の傷ついた気持ちを少ししか理解でき無いかもしれ無い。 同じ事をされないと本当に聖輝の苦しみを理解できないだろうと思う。 けれど俺は聖輝には好きな人の隣で笑っていて欲しい。 蒼大の隣で幸せに笑って欲しいよ聖輝。

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