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修学旅行 最終日 Side蒼大 4

俺は聖輝の唇からは離れると思いっきり抱きしめた。 離したくない。 ずっと聖輝をこのまま俺の腕の中に留めておきたい。 俺にしがみついて泣きじゃくる聖輝を離せるわけがないんだ。 愛おしい聖輝。 俺は泣き止むまで聖輝の頭を撫でた。 「聖輝・・・ごめん・・・・・・ごめんな。」 「そ・・・蒼大・・・どうして謝るの?」 「聖輝が辛い思いしてたのに・・・俺は何も出来なかった。」 俺は聖輝を守れなかったんだ。 けれどまだこんなにも聖輝が好きで側にいたいと願うのはダメなんだろうか? 「えっと・・・聖輝が落ち着いたんならこれ・・・。」 悠真が俺にタオルを渡してくる。 悠真に気づいた聖輝の身体が強張り小刻みに震え出していた。 「あっ・・・。」 聖輝? 聖輝の様子が明らかにおかしい。 呼吸をしていないように見えて俺は慌てた。 けれど俺まで慌てると聖輝が不安になるからなるべく平常心を装った。 「聖輝。大丈夫だからゆっくりと息を吐いて・・・吸えるか?大丈夫だ。」 聖輝の呼吸が整うまで俺は聖輝の背中を撫でた。 「大丈夫か?聖輝。」 悠真も心配そうに聖輝に話しかけている。 やっぱり悠真は聖輝を好きなんだろうか? 「ありがとう・・・悠真。」 「そのままだと風邪ひくしもうすぐしたら治樹が着替え持ってくるから聖輝。」 「うん。」 悠真と話す聖輝を見るとイライラして来る。 俺から離れようとする聖輝。 けれど今は聖輝が風邪ひかないようにしてやる方が先だよな。 「じっとしてろ聖輝。嫌でも逃げるなよ。」 「ごめ・・・ん・・なさい。蒼大。」 「何?謝るの?ありがとうでいいんだよ聖輝。」 悠真の事があり少しだけ強い口調になってしまった。 ごめんな聖輝。 俺は聖輝の身体を綺麗にして乱れた服を整えられるところまで整えると強く抱きしめた。 また、聖輝が泣いている。 俺はどれだけ聖輝を泣かせるんだ。 笑って蒼大と言ってもらいたい。 ずっと笑顔の聖輝を見ていたいんだなんだ。 俺の小さな願い。

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