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修学旅行 最終日 どうしよう
治樹君が僕の着替えを持って走ってきた。
智哉君が先生には上手く話してくれていると笑って治樹君が言う。
「ごめんね。皆んな・・・・心配させてしまって・・・ごめんなさい。」
僕は蒼大から離れ横に立ち頭を下げた。
「良いからさ、聖輝は着替えなよ。て、この転がってるのどうしたの?」
蒼大が殴った2人はまだ気絶しているみたいで起き上がって来ない。
「コイツら、起きてるけど起き上がる根性ないんだよ。あれだけ殴ってやったのにまた同じ事をするんだからな楽しい学校生活送れると思うなよ。」
蒼大が2人の背中を蹴ろうとしたのを僕はとっさに止めてしまった。
だって、この2人を痛めつけても仕方がないからだと思ったから止めた。
「聖輝?コイツら庇うのかよ。」
「違うよ。2人を蹴っても解決なんてしないんだ。だって、僕は蒼大から逃げてたんだよ。知られるのが怖くて怖くて綺麗な僕を覚えていて欲しくて蒼大を傷つけて僕は逃げたんだ。僕の自分勝手な考えで蒼大を傷つけた。」
僕はきっとそこに倒れている2人と同じなんだよ。
最低な人間。
「聖輝・・・。」
真っ直ぐに僕を見つめて蒼大はギュッと下唇を噛み締めている。
こんか顔をさせたのも僕だよ。
「悠真、あのさ蒼大君てやっぱり聖輝が好きな人だよな?」
「はあっ?今更かよ治樹・・・おまっ・・・天然過ぎだろ?」
蒼大の目の前でハッキリと好きな人とか言われたら・・・・・どうしよう。
「聖輝はどうして蒼大君に甘えないんだ?そりゃさ、逃げて傷つけたかもしんないけど聖輝を嫌いならこんな停学になりそうな事までして助けないんじゃないの?俺はよく分かんないけどさ・・・お互いまだ好きならやり直しなよ。俺なら悠真に甘えるよ。」
治樹君が凄くドヤ顔で悠真を見ると悠真は治樹君の頭を軽くポンポンとしていた。
「聖輝・・・俺はまだあの時と同じ気持ちだよ。助けれなかった俺が聖輝とまたやり直すとかダメかなって思っていたけど今度はちゃんと守るから聖輝。」
僕は蒼大に甘えて良いの?
また蒼大に触れても本当に良いの?
「聖輝、頑張れよ。俺達はコイツら修君とこに連れて行くからさ昼ご飯の集合迄には戻って来いよ。」
「へっ?悠真、ちょっと待ってよ。」
悠真は2人を連れて歩き出していた。
どうしよう・・・。
僕が戸惑っていると腕を掴まれ蒼大に引き寄せられてキツく抱き締められた。
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