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起きないでね

蒼大が来たのがお昼前だったからシフォンケーキは昼食の後のデザートにしましょうと美央さんが言った。 昼食は何が良いか美央さんは悩んでいたけどシフォンケーキがあるならパスタにするわねと準備を始めた。 「僕、手伝います美央さん。」 「聖輝君は蒼大君とお話をしてて大丈夫よ。」 「そうだぞ、せっかく久しぶりに会えたんだ今日は俺が美央の手伝いするから聖輝は蒼大と楽しく過ごす様にいいな。」 大地さんは美央さんと2人で仲良くキッチンへと消えて行った。 僕はお2人の優しさに甘えさせて貰います。 「言ってた通りお2人仲良くて優しいな聖輝。」 「うん。大地さんと美央さんそれに大輝が居なかったら僕は今どうなってたんだろうと思うんだ。」 「お2人には感謝しなきゃな。」 そう言って頭を優しく撫でてくれる蒼大。 蒼大の顔が近い。 うわぁ〜。 この部屋には蒼大と2人だけでこんな顔が近かったらドキドキして来て僕はどうしたら良いかわからないよ。 「ふぎゃっ・・・ふっ・・・・・・。」 待てよ・・・・・・この部屋にはグッスリと眠っていた大輝が居たんだ。 でもグズリ出しそうな気配を感じる。 僕は慌てベビーベッドに寝ている大輝を覗き込んだ。 起きそうだったみたいだがまだ眠たいみたいでグッスリと眠りについていた。 「うわぁ〜。可愛いな。」 僕の隣で同じ様に蒼大がベビーベッドを覗き込んでいた。 「大輝だよ。」 「こんな可愛かったらずっと見ていたくなるな。」 「うん。」 大輝を一緒に見つめていると幸せな家族みたいに思えた。 大輝の名前は僕の漢字を使っているし大は大地さんの漢字だけど蒼大の名前にも同じ漢字が入ってるから僕達の子供みたいに思えてくる。 「ふふっ。」 「聖輝?何笑ってるんだ。」 「あっ・・・蒼大に大輝を会わせれて良かったなって・・・・。」 恥ずかしい。 家族みたいに思えてニヤけたなんて言えないよ。 「大地さんと美央さんみたいにずっと聖輝と仲良く過ごせたら俺は嬉しいと思ってる。子供は無理でも幸せに過ごすことは出来たらいいよな。」 「蒼大・・・。」 「ごめん。変な事を言ったよな・・・・・。」 僕は嬉し過ぎて目から涙が溢れ出してきた。 返事をしたいけど上手く声が出せないから首を思いっきり横に振った。 「泣くなよ。聖輝に泣かれたらどうしたらいいか分かんなくなるんだ。」 「僕・・・嬉しくて・・・・・ありがとう・・・・蒼大。」 僕は泣きながらニッコリと笑った。 悲しくて泣いる訳じゃないよ。 凄く嬉しいから涙が出てきたんだもん、だから笑顔になれるんだよ。

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