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僕だけドキドキ
カーテンの隙間から陽射しが射し込んで来ていて僕は眩しくて目をゆっくりと開ける。
目を開けると目の前に整った蒼大の寝顔があった。
夢じゃないんだ。
蒼大に握られた手の温もりを感じて僕は嬉しくなった。
大好きな蒼大の寝顔を見ながら僕は蒼大との昨晩の事を思い出して顔が熱くなってきた。
どうしよう!!!!!!
思い出したら恥ずかしくなってきちゃった。
蒼大の顔を見て話せるかな?
今は寝てるから蒼大の顔を見ていられるけど起きたらどうしよう。
上手く話せるかな?
考えただけで心臓がドキドキしてきたよ。
「ぷっ・・ククッ・・・おはよう聖輝。朝から百面相?」
「へっ?やあっ・・・・蒼大・・・起きてたの?いつから?」
「聖輝が目を覚ました時からだよ。」
蒼大は笑いながら僕の握っている手の甲に唇をチュッと当てた。
「ちょっ・・・蒼大。」
ダメだよ。
そんな事しながら笑顔で僕を見つめたらドキドキが止まらなくなっちゃうよ。
「耳まで真っ赤だな。聖輝。」
今度は額にチュッと軽く唇を当てて来る。
もうダメだ。
頭がクラクラしてくる。
「もうっ!僕ばっかりドキドキして蒼大ズルいよ。」
握られて無い方の手で蒼大の胸を何回か軽く叩くとその手も蒼大に握られてしまった。
「ズルイのはどっちだ。俺なんかもっとドキドキしてるんだからな聖輝。」
「へっ?」
蒼大は僕の手の平を蒼大の心臓に当てて上から指を絡めて握った。
初めはビックリして恥ずかしかったけど暫くすると蒼大の心臓が僕よりもドキドキしてるのが伝わってきた。
蒼大も僕と同じ様にドキドキしてるの?
僕だけかと思っていたからなんだかすごく嬉しい。
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