132 / 699

灯台

「すげぇ〜眺めだな!!!!!!」 蒼大と悠真と治樹君の4人で僕があの日立っていた場所から海を眺めていた。 蒼大は柵に手をかけて身を乗り出して海を見て叫んだ。 「蒼大、あんまり柵から身を乗り出すと危ないぞ!治樹が前に強風で落ちかけたんだ。」 「そうだった。あの時、悠真が服掴んでくれなかったらバランス崩して落ちてたよ。」 だから治樹君は柵より少し離れているんだ。 いつもなら真っ先に身を乗り出して騒ぎそうな感じなんだけど大人しくしてるのはそんな理由があったんだ。 「でも治樹は、いつも落ちそうになってた気がするんだよ。気のせいか?」 「えっ?俺、あの時だけだよ。」 「強風で落ちかけたのはあの時だけでそれ以外にもヤバかった事がたくさんあるんだぞ治樹。」 このパターンは悠真のお説教が始まりそうだ。 その前に治樹君を助けてあげなきゃだね。 「あのね。僕と蒼大が2人の為に大地さんに教えてもらってドライフルーツのカップケーキを作って来ました。」 「そうそう。朝から張り切ったよな聖輝。」 「うん。良かったら皆んなであそこのベンチに座って食べない?」 灯台の周辺にはベンチとか所々に設置されていて食事が出来るようにテーブルも設置されていた。 「ありがとう。聖輝と蒼大!!!」 治樹君は嬉しそうに悠真の横から顔を出してきた。 「ありがとうな聖輝に蒼大。なんか良いな2人でお菓子作り。それに大地さんの指導とか憧れる。」 「悠真は大地さんを尊敬してるもんね。」 「あんな良い人は他にいないよ。」 大地さんは誰にでも優しくて本当に人気がある。 何があってもいつも笑顔でそれで叱る時はちゃんと叱ってくれるんだ。

ともだちにシェアしよう!