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これからの僕
テーブルに、カップケーキを用意して2人を待つ間に蒼大に僕は大事な話がしたかった。
高校を卒業してからの進路。
蒼大と2人でカップケーキを作りながら決心がついたんだ。
「蒼大、僕ね話したい事があるんだ。」
「改めてどうした?」
蒼大は突然の事で少し身構えていた。
「僕ね。パティシエになろうと思う。まださっき決心がついたから親にも大地さんにも話してなくて蒼大には真っ先に話したくてそれでね・・・・・こっちで専門学校に通うかもとかで・・・・・・・。」
何年も蒼大と離れて暮らす事になってしまうと話しながら気づいて悲しくなって上手く話せなくなってしまった。
蒼大はそんな僕を優しく見つめて頭を撫でてくれた。
「うん。聖輝がしたい様にすればいいよ。」
「でも蒼大とあまり会えなくなる。」
「大丈夫だよ。俺の前から姿を消した時、聖輝にはもう会えないんだと苦しんだ頃に比べたら平気だよ。聖輝とは全部で繋がったから俺は何年でも待てるよ。」
蒼大は僕の頬を両手で包み込んでコツンとオデコを当ててニッコリと笑ってくれた。
僕は泣きそうになり我慢した。
「ありがとう蒼大。好きだよ。」
「うん。大好きだよ聖輝。」
蒼大はいつも僕の事を思ってくれている。
それが言葉だけじゃなくて、ちょっとした仕草で分かる。
「ゴホンッ!」
飲み物を買って悠真と治樹君が戻っていた。
「なんか見てる俺がドキドキしてくる。だよな悠真!」
「治樹だけだろ?」
「俺にもしてよ。聖輝みたいなのして貰った事ない!」
治樹君の甘えたいが始まってしまった。
僕と蒼大は慌て離れると少しだけ2人の様子を伺っていた。
治樹君は悠真の腕を引っ張ってお願いをしているが悠真は無視をして僕達に買って来た飲み物を渡してくれていた。
「ケチッ。」
「はぁっ?わがまま言ってると何もしてやらないからな治樹。」
蒼大が凄く心配そうに治樹君を見ている。
2人のやり取りを見るのは初めてだもんね。
初めて僕も見た時はハラハラしていたけど2人が仲良しだから直ぐに仲直りするのは分かっていた。
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