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カップケーキ

僕は蒼大の腕をクイクイと引っ張って小さな声で話しかけた。 「大丈夫だから直ぐに仲直りするよ。」 蒼大は僕の顔を見て本当にと声を出さずに口を動かした。 僕はニッコリと笑って頷いた。 「帰ったらしてやるから今は我慢しろ治樹。」 「本当に悠真!」 「だから大人しくしてろよ治樹。」 ほらね。 直ぐに仲直りした。 「安心した?蒼大。」 「安心した。」 2人で顔を見合わせて笑ってると治樹君が何と身を乗り出してきた。 「気にしないで治樹君。それよりカップケーキ食べてみてよ。」 僕は治樹君の目の前にあるラッピングされたカップケーキを勧めた。 「1つ1つラッピングしてある。凄え!お店で売ってるカップケーキみたいだよ。聖輝。」 治樹君がカップケーキを手に取りマジマジと眺めながら言った。 褒められたら凄く嬉しいでも見た目もだけど美味しく焼けたかが心配だった。 治樹君がゴソゴソとラッピングからカップケーキを取り出して一口食べた。 ドキドキするよ。 「すげぇ〜!!!!!悠真食べてみろよ。うまいよ。」 治樹君が隣に座っている悠真にカップケーキを食べるように言った。 悠真もラッピングからカップケーキを取り出して一口パクリと食べると僕の方を見てきた。 何? 美味しくなかった? 「聖輝も蒼大も凄いよ。このカップケーキ美味しい。ドライフルーツと合ってる。」 初めて蒼大と2人で作ったカップケーキを褒めてもらえて嬉しくて泣きそうになった。 「悠真と治樹君が美味しいと言ってくれて僕は凄く嬉しい。ありがとう。」 「俺も嬉しい。ありがとう悠真と治樹君。」 僕と蒼大は美味しいと言ってくれた2人にお礼を言った。 悠真も治樹君も大地さん並みのカップケーキを食べれたと本当に喜んでくれた。 僕と蒼大で作ったカップケーキで2人が笑顔になってくれるのが本当に嬉しい。 パテシェになったら色んな人を笑顔に出来るかな? こんな僕でも誰かを喜ばせる事が出来るかな? 僕が作ったケーキとかで笑顔になってくれたら嬉しい。 僕は頑張って大地さんみたいなパティシエになりたい。

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