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先生
名前を呼ばれて診察室に入ると大輝は白衣の先生が怖いらしくて泣きそうな顔をしている。
「大丈夫だから大輝。」
「うん。」
大輝は椅子に座り僕の手を握りしめたまま放そうとはしなかった。
「大輝君、先生が怖いかな?白石(しらいし)です。」
「しらいしせんせい。いたいしない?」
「しないよ。胸の音聞きたいから服をめくってもイイかな?」
「ぼく、ふくあげる。」
大輝も白石先生が痛いことをしないと分かると笑顔で白石先生と話してる。
白石先生は凄く優しく大輝に話しかけて笑うと柔らかい雰囲気で聴診器で大輝の心音なんかを聞いている時の先生は凄く凛々しくてカッコよかった。
白石先生は何歳なんだろう?
大地さんより少しだけ歳上の様な感じがする。
「心配ないとは思いますが様子を見てまた痛いと大輝君が言ったら来て頂けますか?」
「はい。分かりました。」
「それと僕が口を挟むのは良くないかもしれないんだが次の診察が入るまで一緒に大輝君のパパとママの所に行ってもいいかな?看護師から話は聞いてるんだ。」
「えっと・・・・・。」
僕達を心配して白石先生は言って下さっているのは理解できる。
けれどそこまで白石先生に甘える程、親しくもない。
「嫌じゃなかったらだけどね。」
「嫌じゃないです。」
嫌じゃないけど・・・・・・。
「よかった。」
白石先生は少しだけホッとした感じで柔らかく笑った。
断りづらい。
「親しくも無いのに白石先生はそこまでして下さるんですか?」
「確かに親しくはないがパパとママに会った大輝君が心配でね。」
白石先生は、大輝の事を心配して下さってるんだ。
僕は白石先生に頭を下げて『お願いします。』と言うと白石先生は笑って『そこまで気を使わなくて良いからね。』と言って下さった。
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